01 曽我物語~工藤左エ門尉祐経祈願の場~(城生野神楽)

平家が全盛を極めていたころ、伊豆の国に工藤太夫祐隆とういう豪族がいて、伊東、河津、宇佐美の荘を治めていた。この祐隆の息子達が皆早死にして相続人が絶えそうになったので、継娘の子を立ててこれを跡継ぎとし、伊東の地を譲り工藤武者祐継と名乗らせ、早世した長男の子(孫)を次男に立てて河津を譲り、河津二郎祐親と名乗らせた。
やがて太夫祐隆の死後、祐親は自分こそ工藤を継ぐべき者と思い始め、箱根の別当に頼んで工藤武者祐継を祈り殺してしまった。この祐継の子が祐経である。祐親はそしらぬ顔であとを弔い祐経を養育し、成人の後、自分の娘と結婚させ、京都に連れて行き武者所の侍にした。そして伊豆の領地を独り占めにしていたが、武者所の筆頭まで出世した祐経が25歳の時、母が死に、形見として出てきた亡父の手紙によって初めて自分が祐親にだまされていたことを悟る。そこで京の奉行に訴え、祐親と長く争ったが、祐親が勝ち、祐経は領地を取られ、妻まで取られてしまった。かくして祐経は祐親にこの恨みを晴らさんと、子飼いの郎党大見の小籐太、八幡三郎と、祐親殺害の密謀をめぐらす。この物語の発端となるのである。

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